僕は建築の中で美術館や博物館が最も好きです。
理由は非日常的な空間体験が味わえてとても面白く何度も訪れたくなるからです。
そこで今回から世界中の何度も訪れたい美術館、博物館を紹介していきます!
初回は【フォンダシオン ルイ・ヴィトン】を紹介していきます。
フォンダシオン ルイ・ヴィトンの建築的特徴【10選】
まずはこの建築の概要から説明します。
設計はフランク・ゲーリー。2014年竣工。
フランク・ゲーリーという名前は建築を勉強している方なら一度は聞いたことがあるかと思います。
ビルバオ効果で世界に衝撃を与えたあのフランク・ゲーリーの新しい美術館です。
そんな方が新たに設計した美術館の特徴を10選紹介していきます。
氷山を思わせるファサード
シャトルバスが発着する正面玄関入口前ですが、不規則で微妙なカーブを描くガラス屋根の下に、19,000枚以上の異なる曲面をもつ強化繊維配合のコンクリートパネルで覆われたブロック状の建物が組み合わさっており、その形状は【氷山】と呼ばれております。
エントランスにある建築模型
エントランスロビーのブックショップ脇に建築模型があります。建築的特徴では無いですが、建築全体を俯瞰しながら氷山の配置具合をチェックできるので見ておきましょう。
自分が何階にいるのか分からなくなりそうですね。笑
迫力満点の水庭
建物の東側を外側から見た際には、手前に水を張った静かなプールがあるのですが、このプールを内側から見ると、その水が滝のように流れ落ち、建物が波を切って進む帆船のように見え、空の青さや風、ガラスの反射、水面に映る影など、自然と一体化を図った建築となっています。
ここからの景色は他の建築では味わえない新しい体験ができます。
オラファー・エアリソンの光の回廊
コペンハーゲンとベルリンを拠点とするアーティスト、オラファー・エアリソンの【INSIDE THE HORIZON】。吹きガラスの黄色が薄暗い回廊に絶妙の効果を与え、水面に映えてとても美しくなっています。
残像が永遠に続くように錯覚してしまいます。オーディトリアムがオープンしている時のみ入場可能となっていますので事前にチェックしておきましょう。
屋外テラス
氷山の構造を最も理解しやすいのが、3つのレベルに分かれたテラスだろう。
とことどころ屋根の途切れた部分では、テラスは完全に屋外となり、視界は360°オープンとなっている。広大なブローニュの森、デファンス新都心の高層ビルディング街、遠くにエッフェル塔も見渡せる。
建築のディティールにいろいろな視点から迫れる。
木とガラスと鉄のハイブリットなディティール
唐松の集成材と179本もの鉄柱とトライポッドが絡まり合う光景。きわめて抽象的なゲーリーのクロッキーを具現化するには、宇宙工学で使われている3Dソフトウェアが適応され、大きな表面積をもつガラス屋根が雨や雪、風にも耐えうるように設計された接合部にも注目すべきです。
集成材と鉄とガラスが複雑に組み合わさる構造に、テクノロジーの偉大さを感じることが出来ます。
様々な展示物に対応可能な展示空間
この美術館ではコレクション展と企画展が開催されており、大小さまざまな展示室が、それぞれ作品の規模に適した使われ方をしています。
天井高17mのギャラリーには大型の彫刻作品が、1階の最大面積の部屋には大判の写真作品はどが効果的に展示されている。
エルズワース・ケリーのオーディトリアム
オーディトリアムを設け、コンサートやカンファレンスが頻繁に行われているのも特徴的催事が無いときには忘れ去られがちなオーディトリアムだが、ここはすり鉢状の座席や舞台がすべて床下に収納されるので、普段はエルズワース・ケリーのタブローが掛かったこの空間を自由に歩き回ることが出来る。
ここでは2015年に開かれたコンサートで世界的指揮者の小澤征爾がタクトを振っています。
魚の泳ぐレストランでミシュランの味が楽しめる
光がさんさんと差し込む1階のロビーには、ゲーリー自身が手掛けた魚状のランプが宙を泳ぐレストランがあり、料理を楽しむことが出来る。
宇宙船を思わせる外観
たっぷりのアートを楽しんでひが暮れた頃、ぜひ庭側に出て建物の全景を堪能してほしいです。
横方向に畳みかけるように連続するガラスの屋根が館内の光を透かしていてとても美しく見えますのでおすすめです。
まとめ
以上でこの美術館の特徴を10個紹介しました。
ゲーリーらしい造形でそして子らまでの作品に見られる様々な要素がひとつに昇華したもののように見える。
うねるようなフォルムをメタル板で覆ったビルバオグッゲンハイム美術館は、パワフルでなんとなく男性的な建築の印象を持ちますが、フォンダシオン ルイ・ヴィトンは乳白色のガラスをまとい、しなやかで透明感があり、女性的な印象を持ちました。
コメント